7月30日、
「ニコゼミ2016 最小で最大のコミュニケーションに出逢う!!!」の
セッション1の第一回目 子どもについて知る講座を開催しました。
講座では、‟言葉をいっさい使わないでコミュニケーションをとってみること”を、
実際に体験してみました。
2人1組になって、
身体の形を動かしたり、背中に文字や絵を描いて伝えていったりと、
非言語で伝えるワークから始まります。
それから続いて、2人で一緒に絵を描くことをやってみました。
「まばたき うなずく 利き手とは逆の手の肘から上のみ動かす 握力のない手でにぎる」
この条件だけで、
相手に描きたい絵を伝え、もうひとりは相手の描きたい絵を受け取り、一緒に絵を描いていきます。
条件を守ることに必死になったり、
相手の意思を受け取らず手を勝手に動かしたり、
丁寧に聞きすぎて進まなかったり、
いろいろなことに受講生は惑わされていた様子でした。
しかしその中でも、
伝わらなくて困ってしまったり、失敗して思わず笑い合っていたりする姿もみられました。
その姿を見て、この講座で本当に大切だったのは、
障がいのある子になりきることや、絵を完成させることではなく、
伝えることのもどかしさと受け取ることの難しさを感じることと、
そして通じあったときの嬉しさを共有すること、だったのではないかと思いました。
介護も医療も教育だって、テクニックさえあれば作業にできてしまいます。
そうしないためには、感情を動かすほかないのではないかと思います。
自分の感情が動かなければ、相手の感情は動きません。
きっと受講生は、今回の講座を今後受講する中や障がいのある子どもと関わる中で、
あとからあとから思い出すのではないかと思います。
受講生の方からの感想を少しだけご紹介します。
「今まで相手にどう伝えれば良いかと考えていることが多かったが、相手がそれをどのように受け止めているのか考えなくては!と思いました。」
「白い紙に色がついたとき、なんか感激しました。」
「生きていることの喜びをいっしょに感じることができれば幸せかもしれない。」
「言葉でないコミュニケーションに楽しさが感じられた時に、笑いが出たり、温かい気持ちになったりしました。」
「伝えようとする気持ち、相手がなんと言おうとしているのかを理解しようとする気持ちがお互いに大事なんだと思います。これは障がいを持っているいないに関わらずに、自分の身近な人々・家族などにおいても同じことだと感じました。」
次回のニコゼミは「遊びの講座」です。
どんな回になるのか、みなさま楽しみにしていてくださいね。
〔講師紹介〕
澤山頼子(さわやまよりこ)
福岡市立南福岡特別支援学校教諭。
1980年より普通中学校の美術教師として10年間、
知的障がい及び肢体不自由特別支援学校教諭として27年間、教鞭をとっている。
特に訪問学級担当としての3年間で、教師としての幅が大きく広がる。
主催 : 認定NPO法人ニコちゃんの会
助成 : タケダ・ウェルビーイング・プログラム2015
協力 : 福岡市立南福岡特別支援学校、九州大学長津結一郎研究室、九州大学南博文研究室、CLCworks、art space tetra
後援 : 福岡市、福岡市教育委員会、九州大学大学院芸術工学研究院ソーシャルアートラボ
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