|
2021年度、福岡市文化芸術振興財団さん（以下財団さん）とanno labさん（以下あのラボさん）とニコちゃんの会の三者で、
ニコちゃんの会の多機能型通所施設ニコちゃん家に通う3人の子どもに協力してもらい、何が起こるか誰にもわからない「実験」という名のあそびを半年間やっていきました！
これまで財団さんのアウトリーチ事業（アートを学校や施設に持っていく！というもの）を2年程お手伝いさせていただいていましたが、昨年度はコロナ禍で実施が難しいということもあり、将来的に学校や施設に持っていくための準備として、ニコちゃん家の中でのみ行うこととなりました。
2020年度にスイッチの取り組み「自分で伝えよう！2020」をしたこともあり、今回はたくさんのクリエイターで構成されるあのラボさんとともに、スイッチに留まらずテクノロジーを使って何ができるかを一緒に考えていきました。
子どもたちにとっても、スタッフにとっても、財団さんも、あのラボさんも、みんなはじめてのことだらけで、
そしてコロナの感染対策にも注意しながらで、、、、
本当にどうなるかわからないドキドキワクワクの半年間となりました。
でもあそびってわからない中に楽しさがあったりするものです！
そんな半年間の取り組みをご紹介します！
≪半年間の取り組み≫
【10月 自己紹介の回】
協力してくれる子ども３人とそのお母さん、そしてあのラボさん、財団さん、ニコちゃんでオンラインも取り入れて自己紹介をしました。
あのラボさんのこれまでの作品を紹介してもらったあとに、子どもたちの普段のコミュニケーションの取り方や興味のあることなどをお伝えしました。
「まず、会ってみる」こんな普通のことで、何かが始まっていく実感や人の温度を感じることができるということに気づく印象的な初回となりました。
【11・12月 2回目】
2回目は一人ずつ日にちを設定して、一人ひとりがあのラボさんとじっくり関わりあえるような交流の形を取りました。
こんなセンサーもあるよ、こういうのはどう？など色々試してみる中で、あのラボさんと子どもたちの距離が少しずつ縮んでいきました。
触れると震えるセンサーや筋肉の動きで反応するセンサー、サーモグラフィーなどセンサー類をたくさん触ってみたあと、そのアウトプットとして光や音など色々な方法を試してみました。回を重ねるごとに進化したものを持ってきてくれるあのラボさんに、子どもたちの目はキラキラ！
【1月 スタッフ検証会】
あのラボさんの提案で、音に合わせて振動する装置の実験をしてみました。
子どもたちに試してもらう前にスタッフだけで、振動の大きさなどが子どもたたちの身体に負担がないかどうかを検証しました。
「この振動の大きさで身体のこの部分なら大丈夫！」と、みんなが安心して実験するための前準備をしました。
【3月 3回目】
これまでの実験をまとめて簡易的にカタチにしたものをニコちゃん家の中に設置し、他の子どもたちも一緒に遊んでみました！
ニコちゃん家の空間に、白いものが天井をつたい真ん中にもくもくと雲のようなものがどーんと垂れ下がっていて、すごい存在感！
まず、その白いものの正体をあのラボさんが説明してくれます。
心拍に合わせた音が鳴って、その心拍の持ち主の色に光る装置
人と人が触れ合うと音が鳴って、光が流れて真ん中の雲に集まる装置
音に合わせて振動する装置
３つの装置をそれぞれ試してみたあと、好きなものを何度も鳴らしてみたり、白いもくもくの雲を触ってみたり、実際に楽器を鳴らしてみたり、
音楽セッションのような学校の休み時間のような、みんなが自由に遊ぶ時間となりました。
「これってなんの音？」
「知らない人がきて面白い」
「暗くてちょっとドキドキする」
「ぼくが鳴らした！」
「なにがどうなってる？」
「光っててきれい」
子どもたちはこんなふうに色んなことを感じているのか、終始、身体はソワソワ目はキラキラ、普段寝ている子もずっと起きて天井を眺めていました。
コロナの感染状況を見極めつつ、また内容自体も手探りでの実施だったため、
充実しつつも、まだまだやりたいことをたくさん残した半年間の取り組みとなりました。
これからこの取り組みがどのように育っていくかはまだ誰にも分りませんが、ひとまず半年間3人の子どもたちとあのラボさん、そして財団さんにニコちゃん家の子どもも大人も、“ MEET WITH ”できたのではないかと思います！
アウトリーチってなんだろう、アートってなんだろう、たのしむってなんだろう、わかるってなんだろう、
たくさんの人が関わりそれぞれの想いを抱くことができた、贅沢なあそびの時間でした。
ありがとうございました！
主催：（公財）福岡市文化芸術振興財団 ／ 福岡市
協力： anno lab／認定NPO法人ニコちゃんの会
|
