*2年間をまとめた総集編動画を公開しました*
2021年度に引き続き、2022年度も、福岡市文化芸術振興財団さん(以下財団さん)とanno labさん(以下あのラボさん)とニコちゃんの会の三者で、
テクノロジーをつかって障がいのある子どもたちとの関わりについて考える実験的取り組みを行いました。
ニコちゃんの会の多機能型通所施設ニコちゃん家に通う3人の子どもに協力してもらい、「実験」という名のあそびを2021年度よりも深く探っていきました。
昨年度の振り返りの中ででた「大人はメディアの仕組みのほうが気になってしまった」「スタッフたちの緊張感が子どもたちに伝わっていたかもしれない」などの声から、普段関わるスタッフたちも十分に楽しむことから、さらに子どもたちへもわくわくが伝染することをめざし、「日常の延長」として楽しめるアクティビティを再検討することとしました。
≪1年間の取り組み≫
【5月・6月 お互いの世界を知る】
ニコちゃんのケアスタッフがあのラボさんの作品をじっくり体験し、どんな想いで作品をつくっているのかを聴く場を設け、
反対に、普段のニコちゃん家に実習生のようにあのラボさん・財団さんが入り込み「あそび」を体験し、
お互いの世界を改めて知る機会をつくりました。
【7月・11月 ブレインストーミング】
その後も一緒に考える場を設けたり、オンラインでも打合せを繰り返したり、
そんな中で昨年度使ったタッチセンサーを活用しつつ、普段のあそびで用いている傘をつかってみようという案が浮かび上がりました。
傘はでベッドに寝た状態の多い子の目の前に広がる世界として、サイズも形もちょうどよく、
おうちにあそびをもっていくときなどふだんの活動の中でよく活用していました。
【11月・1月 やってみる!】
実際にこどもたちとあそぶときは、
イベントのように開始のあいさつをするのではなく、じんわりと子どものタイミングに合わせて近づいていき、ひとりひとりとじっくり関わりました。
照明も一気に落としてワクワクするよりも、ゆっくり段階的に落としていくことで、より普段に近い状態を保てるように工夫しました。
そして、
タッチセンサーでお互いの体温を感じたり、
優しいピアノの旋律にのって流れる光を目で追って、静かで美しい時間に浸ったり、
表情が動く瞬間を透明の傘越しにともに確かめ合ったり、
傘から鳴る音が、ピアノの音色からスタッフやおともだちの声に切り替わったら、ワッと場が盛り上がったり、
この優しく楽しい時間は、まさに日常の延長、日常のとなりにある、少し特別な時間となりました。
まずは1年…というふうに2022年度にはじめた実験がどんどんと膨らみ、ゴールがないからこそどこに着地するのか難しく、みんなでもやもやしたり、うんうんと考える2年間でした。
子どもたち・あのラボさん・財団さん・ご家族・スタッフのみんなのご協力があってこその贅沢な時間でした。
また、2022年度はコロナの第7波・8波に襲われながらも毎回PCR検査・抗原検査を受けてニコちゃん家まで来てくれたあのラボさん・財団さんには感謝しかありません。
福祉もアートも面白い!とっても近いのになんだか遠い!
だからこそ、それぞれが「自分事」になる取り組みになっていたら、これからなっていくことができればいいなと思います。
さて、これからの展開がどうなるか、まだ実験は続くかもしれません・・・!
財団さんの事業レポートはこちら▼▼▼
福岡市文化芸術振興財団事業レポート
主催:(公財)福岡市文化芸術振興財団 / 福岡市
協力: anno lab/認定NPO法人ニコちゃんの会
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