*総集編動画を公開しました!*
1月20日に、ニコちゃん的公開稽古「オンライン演劇って、どうやると?!」Zoom配信・YouTube同時配信ともに、無事終えることができました。
Zoom席は70名と満席で、YouTubeもアーカイブ配信も含めると現時点(1/25現在)で1300回以上の再生回数となりました。
(※全体のアーカイブ配信は1/27で終了しましたが、ご好評につき総集編動画と一部のアーカイブ動画を再公開しました。アーカイブ動画一覧はこちら)
2020年に予定していた「身体的にバラエティあふれる人たちの演劇公演 走れ!メロス。」の再演がコロナウイルス感染拡大により困難となり、本年度の演劇公演はあきらめかけていました。
しかし、ネットを通じてモニター越しではありますが、オンタイムで“ニコちゃん的公開稽古「オンライン演劇って、どうやると?!」”を皆さまにお届けすることができました。
「公開稽古」と銘打ってますが、観ていただく人に楽しんでもらえるように演劇公演のスタイルでした。
しかし今回は、今までの公演とどこをとっても違ったものとなりました。
まずこの取り組みを始めることになったきっかけが、共催4年目となる福岡市文化芸術振興財団さんからのコロナ禍でのお声かけでした。制作もほとんどを財団が担ってくれました。
そして、これまでプロの方に依頼し創り上げていた舞台が、今回はオンラインでZoomやYouTube配信、UDトークでの字幕の操作に長けた九州大学長津結一郎研究室の皆さんの活躍が主になりました。
演技についても、普段は再現性を大事にしていましたが、この公演では毎回違った演技があったり、観客参加型でどうなるかわからないことこの上なかったり、普段の公演では考えられないほどに全員の笑顔が舞台の上でこぼれていました。
さらに、ニコちゃんの会がする意味として大きなものであった障がいのある俳優へのケアについても、基本は各々で家から稽古に入るので、普段稽古場に出かけることに比べたらかなり少ない人員でできました。
このように今回ニコちゃんの会の担った役割は少なく、ほとんど外部の方の力によって形になりました。むしろこれは、すっごい演劇アートプロジェクトを通して、障がいのある人の演劇の可能性を大きく広げるような取り組みとなったのかもしれません。
障がいのある俳優たちにとって、障がい福祉の分野が大きく介入せずとも表現活動ができるという可能性が見いだせたように思います。また全国のゲストと関わり、そして全国のお客様に観ていただいたことで、いち表現者として福岡から飛び出すことができたオンライン演劇でした。
それから観客の皆様も、Zoom席では積極的な参加やチャットへのたくさんの書き込みをいただき、ありがとうございました。
YouTube配信では予想を越える多くの方に観ていただきました。
お客様の層も、数も、関わり方も、今までにない新しいステージに行けたように思います。
そして、この試みに欠かせなかったのは、もちろんこの舞台にご一緒していただいた方々です。
こちらのお願いに快く対応してくれた手話通訳の方、
新しい風を吹かせてくれた全国の多様なゲストの方々、
音響まで兼務して稽古から付き合ってくださった舞台監督、
慣れないことにも前向きに楽しんで稽古に取り組んでくれた俳優陣、
離れた地で今まで以上のエネルギーと愛を送って創り上げてくれた演出家。
携わっていただいたすべての皆さまへ、本当に感謝は尽きません。
コロナ禍で困難な状況だからこそ、
視点を変え世界の捉え方を転換することのできる演劇・アートの力が必要なのではないでしょうか。
そのことを多くの皆様に教えていただきました。
本当にありがとうございました。
▼ ▼ この演劇を観てくださった方の感想を、少しだけご紹介いたします ▼ ▼
「チャットが大活躍でしたね。視聴者参加のオンライン演劇とは超ユニークな発想で,感激(観劇)の幅が広がりました。」
「どこか一歩引いて見ていたところがあった演劇に、より深く触れることができたような気がします。」
「オンラインでありながら、出演しない役者がビデオをオフにするときに『袖にはけてください』といった言葉遣いで場の臨場感があり、とても良かったです。」
「障害のあるなしに関係なく、信頼しあえる、表現しあえる姿が眩しかったです。」
「障がいがあるから、自分の表現方法で伝えるということに長けているし、オンライン会場との相性も良くて、障がいが障害になっていないなぁと思った。」
「大変面白い試みだと思いました。が…ちょっと長かったです。長時間の鑑賞には慣れているつもりでしたが、劇場ではなく自宅という環境や通信状態の悪さ(これは個人的な問題ですが)など、ちょっとした事から思っていたよりも簡単に集中が切れてしまいました。オンライン向けの尺設定という新たな視点がありそうだなと思いました。」
「前半の開場時の説明に様々な希望を見た気がした。妙な例えだが、あの場に集まっている人たちの間に、まるで地縁があったような感覚があった。」
「『障がい』というのは人にあるのではなくて、人と人の間のコミュニケーションにあるのだと思えたことが、本当に大きな気づきでした。」
≪出演者紹介≫
出演者のプロフィール(PDF)ダウンロード
主催:文化庁、(公社)日本芸術実演家団体協議会、JAPAN LIVE YELL project in ふくおか実行委員会、(公財)福岡市文化芸術振興財団、福岡市、認定NPO法人ニコちゃんの会
共催:西日本新聞社
後援:福岡県、テレビ西日本
協力:劇団山の手事情社、九州大学長津結一郎研究室
助成:(公財)九州文化協会
チラシデザイン:舘紗也子(株式会社superlap)
beyond2020認証事業
文化庁令和2年度
戦略的芸術文化創造推進事業
「JAPAN LIVE YELL project」
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