6月30日~7月2日、
「身体に障がいのある人のための俳優講座#04」のでんクラAを開催いたしました。
2018 年の新作に向けて新しい人材との出会いを求め、電動車椅子を使用する方、手話を操る方、そして特異な身体をお持ちの方を広く募集いたしました。それぞれクラスをわけて、「走れ、メロス」をテーマに3日間×4回の講座を開催しています。
第3弾は、でんクラA!
電動車いすを操る4名と演劇経験者1名の計5名の参加でした。
30日(金)にはレクチャー・グループワークで漫才づくり・車いすダンス創作
1日(土)には車いすレース・グループワークでショートストーリーづくり
2日(日)には構成・発表会
といった濃密な3日間でした。
今回の参加者には初!電動車いすの女の子!
しかも2人も来てくれました!
スタッフ一同、なんだかテンションがあがっていました!
今まで演劇経験者以外では、20代の女性の参加はなかったため、3つのバリアを乗り越えてやってきてくれたことに感謝と喜びがこぼれずにいられませんでした。
・・・そうです、演劇やこういったワークショップには3つのバリアがあるのです。
演出の倉品の言葉を借りると、
「まず、情報自体が当事者に届かない、という情報のバリア。
次に当人が自分にはできないのではないかと思ってしまう。または、先生や親がこの子にはできないと思ってしまう、心のバリア。
そして、来たくても車がないとか、その場所にエレベーターがないなどの物理的なバリア。」
この3つのバリアを越えて、県外から参加してくれたり、ショートストーリーづくりでもハッとするものを作ってくれたり、、、それだけで実りある俳優講座だったと言ってしまいたくなります。
しかし、やはりそれだけでなく、
これだけたくさんの電動車いすを操る人が集まると、とても迫力のある空間になります。
普段社会の中で、車いすの方はマイノリティとなるところが、今回のクラスでは2足歩行の参加者・俳優の方がマイノリティになっていました。
その車いすマジョリティな空間を利用して、車椅子で走ってタイムを競ったり、車いすに座ったままでダンスを踊ったり、睨み合い、ぶつかり合いなど、危険も承知でたくさんの実験を繰り広げました。
最終日の発表会には、17名の方が観劇に来て下さいました。
構成演劇とその他の作品群(漫才・ショートストーリー)の2部構成で行い、
観客からは「いい意味での心地悪さを感じました。」「漫才やショートストーリーが自然体でリアリティがあり面白かったです。」等の感想をいただきました。
1部の構成演劇については実験をかなり組み込んだ作品だったため、感想はなかなか1部には触れられず、しかし表情やお話を伺う中で何か大切な“ひっかかり”を持ち帰ってもらえたのではないかと思います。
残すはでんクラBのみ!もちろん最終日は発表会になっています。
ここで来年の公演につながるシーンがたくさん生まれます!
是非、この生まれる瞬間の熱を体感してください!
主催 : 認定 NPO 法人ニコちゃんの会 /(公財)福岡市文化芸術振興財団 / 福岡市
協力 : 九州大学長津結一郎研究室
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