アウトリーチ2019@ペアレントかすが

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2019年10月21日、28日の2日間にわたって、
放課後等デイサービス ペアレントかすがにて、音楽のワークショップを開催しました。

今回の講師は、クリエイティブユニット「サドシマルイコ」のおふたりが務めてくださいました。
maruiko氏ことマルイコちゃんと、佐土嶋洋佳氏ことサドヒロちゃんです。
参加者は、ペアレントかすがに通う7名の子どもと5名のスタッフのみなさんです。

 

1日目、
まずはサドシマルイコさんの即席手作り名札を子どもたちに配るところから始まります。
そして引き続き、自己紹介。
・・・と思いきや、ペアレントの歌を子どもとスタッフさんがピアノで弾いて歌って歓迎してくれました!
とっても嬉しいスタートで、そのまま上機嫌に自己紹介に入ります。
呼んでほしい名前と「すき」と「にがて」、
自分のことについて考え、スタッフも見学者もみんな、その場にいる人に伝えていきました。

 
じつは、名札を配っている間に、マルイコちゃんはみんなの音をこっそり録音していました。
そうです、1日目は音を録音して、みんなでじっくり聴いてみるということをします!
出そうとした音ではなく、耳をすまして、この場にあふれている音を探していきます。
そのために、なんと聴診器を改造して、身体の中の音を録音できる機械までつくってきてくれていました!

呼吸器の音、心臓の音、ずりずりとお尻で移動する音、くしゃみの音、吸引器の音、、、

心臓の音ひとつとっても、
注目されて緊張する人の心臓、不整脈がある人の心臓、シャントで規則的な心臓、
いろいろな心臓の音がありました。

みんな自分の音やあふれている音に興味津々。
「次はなにを聴こうか?」
「あれがいい!」
「これはどう?」
たくさんのアイデアが飛び交います。
われもわれもと途中で乱入してくる音たちもありました・・・!

特に面白かったのは、部屋の中を飛び出して、、、送迎車のリフトの音!
エンジンをかけるところから始まり、リフトが降り、昇る・・・「カット!」
子ども監督が録音の指示をしてくれました。
本当に笑いの絶えない、またささやかな音に気付く大切な録音の時間でした。

 

そして2日目は、
みんなおめかしをして合奏会です。
サドシマルイコさんが1日目で録音した音をつないで音楽にしてきてくれたので、
その音楽をバックに、少しの動きでも鳴るようにつくられた楽器を身に着け、みんなで合奏をします。

首をふりふりできる子にはお顔に鈴をつけた布を巻いたり、
手首に巻いたり、棒をつけてのれんのような楽器を触って鳴らしたり、、、

なんとペアレントのみなさんも合奏用に音の鳴らし方を考えてくれていました!
舌をぺろぺろできる子には、スマートフォンとつながる乾電池「MaBeee」を使って、ラップで巻いたスマートフォンと乾電池式の泡だて器でウィンドチャイムを鳴らせるように工夫してくれていました。
足を動かせる子には、木琴のマレットを足につけて、動きにあわせて音が鳴るようにしてくれました。

そんな子どもたちのささやかな音を、スタッフのみなさんにマイクでひろってもらい、その場でスピーカーから出して、サドシマルイコさんのピアニカとウクレレと一緒に合奏です!
ライトアップして、もちろんバックミュージックは1日目のみんなの音!

・・・しかし、
2日目で人にも慣れて、暗がりで音楽も心地よく、、、うとうとうとする子も続出。

合奏会というかしこまった感じではなく、リラックスした音のお風呂のようになっていきました。
マルイコちゃんの歌、サドヒロちゃんのピアニカ、色々な楽器、笑い声、吸引器のシュコーという音、アラームの音、泡だて器が鳴らすウィンドチャイムや太鼓の音、誰かの心臓の音。

とても心地よく、身体がふわふわと浮いていくような沈んでいくような、
音に囲まれた優しい時間となりました。
 

*編集なしの音を少しだけお聴きいただけるようにしました(4分25秒)*


 

そして、なんと最後に、
ペアレントのみなさんからサドシマルイコさんのおふたりに感謝のカードの贈呈が!
ふたりは、思いもよらないプレゼントに感激でした。

この2日間は、たくさんのアイデアや好奇心が飛び交い、
子どももスタッフもアーティストも、同じラインでこの場を楽しみ、大切に創っていたように思います。
アートと存在に出逢う素敵な時間があったことを、本当に有難く思います。

 

スタッフのみなさんの感想を、少しだけご紹介します。

 

「子どもたちが自分の音に興味をもって聞いている様子が伺えて、すごくうれしかった。」

「普段聞いているあふれている音でこんなことができるんだ・・・と驚きでした。音を探しているときは、私自身も楽しく参加させてもらいました。」

「一緒に楽器を作ったり、準備をみんなでやって内容をもっと把握して参加できればもっとよかったです。」

「安心した環境の中での今回のイベントは、私自身ワクワクして参加することができました。」

「音をたくさん鳴らす子、様子をみて鳴らす子、なかなか鳴らそうとしない子、いろいろな子がいてよかったです。」

「1日目はしっかり起きて参加している子が多かった。2日目は眠ってリラックスしている子も多く、普段の様子に近かったのが印象にのこりました。子どもたちは空気をよく感じているんだな~と思った。」

 

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≪アーティスト紹介≫
 
サドシマルイコ
maruiko(イラストレーター、ウクレレ弾き語り)と佐土嶋洋佳(アーティスト、造形教室「ずこう舎」主宰)のクリエイティブユニット。
作品作りやデザイン、イベント会場デコや音楽ライブなど、活動は多岐にわたる。
maruiko氏ウェブサイト
佐土嶋洋佳氏・ずこう舎studioインスタグラム

 

主催:認定NPO法人ニコちゃんの会
協力:(公財)福岡市文化芸術振興財団 / 福岡市