【ご報告】ニコゼミ2016 セッション1 コミュニケーションツールの講座

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1月14日、
ニコゼミ2016 最小で最大のコミュニケーションに出逢う!!!」のセッション1の第5回目、コミュニケーションツールの講座を開催しました。

当日は今冬一番の寒波!
雪もちらつく中、大橋駅すぐそばの九大サテライトという近代的なガラス張りの建物での講座です。
5回目にしてやっと机と椅子が出現し、講座らしくなってきました。

 

まずは、2人1組になり背中合わせで相手がみえていない幾何学的なカタチをもう一方が伝えるというワークから入り、受講生の緊張をほどいていきます。
その後、動画やスライドなどを使って、また非言語や透明文字盤で人の名前などを伝える体験を織り交ぜ、「コミュニケーションのメカニズム」と「発想の転換」のスライドでゆっくりじっくりと学んで行きます。
コミュニケーションツールがあっても伝えたいことがなければ、ツールはただの機械にすぎない、
意欲を引き出すことが大切!という当たり前だけど抜け落ちがちなことを、エピソードとともに聞き、しっかりと心に刻む時間となりました。

そして、特別な機器でなくても日常使っているiPhoneなどを障がいのある人が使いやすくする方法なども学びました。
ホームボタンや音量のコントロール、画面のタップやスワイプなど、私たちが何気なくしていることでも、
障がいのある人にとっては使いづらいことが多くあります。
その使いづらさを解消するための方法(スイッチコントロール、アシスティブタッチなど)をたくさん紹介され、みんな目からウロコ!

最後は視線入力装置(アイトラッカーなど)やワイヤレス透明文字盤など、最新の機器を体験しました。
みんな子どものような大人になって、私も私も!という感じで最新のテクノロジーを楽しみました。
しかし同時に、その先には切実な表現とコミュニケーションがあることを、
今回の講座、そして今までの講座を受けたことで想像ができたのではないかと思います。
本当に、知識と想いの両方が必要であることを感じる講座となりました。
 

受講生の感想を少しだけご紹介します。

「いろいろな機能や機械があっても、知らないと使えない。」

「自分自身のコミュニケーション意欲って、本当に大事だなと思いました。それって障がいの有無は関係ないような気がしました。」

「自分が当たり前と思っている体の動かし方やコミュニケーションのとり方ができない人々とのコミュニケーションや表現を広げて、それを当たり前にするために必要なテクノロジーはもっと知っていきたい。そして、自分の思っている当たり前を広げたい。」

「誰でもどんな人でもコミュニケーションをとりたいのだと思います。」

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視線で敵を撃ち落とすゲーム中!
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両側から文字盤にタッチして入力することができます
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〔講師紹介〕
 福島 勇 (ふくしまいさむ)
福岡市立南福岡特別支援学校教諭。1989年よりAAC(拡大・代替コミュニケーション)の考え方に基づくコミュニケーション支援および Assistive Technologyを活用した学習・生活支援に取り組み、その成果を著作・講演で国内外に発信。2015年文部科学大臣優秀教職員として表彰される。

 
主催 : 認定NPO法人ニコちゃんの会
助成 : タケダ・ウェルビーイング・プログラム2015
協力 : 福岡市立南福岡特別支援学校、九州大学長津結一郎研究室、九州大学南博文研究室、CLCworks、art space tetra
後援 : 福岡市、福岡市教育委員会、九州大学大学院芸術工学研究院ソーシャルアートラボ