関係性と出逢う#01 詩と出逢う会 ご報告

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6月21日、
詩人の上田假奈代さんをお招きしてのワークショップ「関係性と出逢う#01 詩と出逢う会」無事、終了いたしました。

当日はあいにくの雨模様となりましたが、
しとしとと降る雨がぽつぽつと出てくる言葉たちを定着させるように、心が弾みながらもとても穏やかで柔らかい時間となりました。

はじめて会う人と、そして発信の方法がさまざまな人たちで、
お互いのことを言語や非言語で、また他者を介して伝え、
そして相手の詩を作っていく、そんな少し不思議なコミュニケーション。

今回は「夏」というキーワードで詩をつくっていきました。
さまざまな人のさまざまな夏がその場に発光し、
梅雨が明けこれからの暑い夏への想いが馳せられたひと時でした。

色とりどりのたくさんの夏ができたのですが、
ここでは上田假奈代さんによる「詩と出逢う会」の様子の詩をのせておきます。

みんなの夏が、想いが、ぎゅっと。

 

「 夏に、きょう出逢う 」

上田假奈代

 

それぞれの夏の思い出が語られている時間
通りには車がひっきりなしに過ぎ去ってゆく
信号でとまり、また走ってゆく

山もきらい
海もきらい
暑いもきらい
スイカ好きだけどタネがきらいな いくちゃんの夏

スイカをリヤカーで運ぶ
おばあちゃんちの土間にぷいぷいスイカのタネを
捨てた なかむらさんの夏

天井にうつす花火
眠っている しゅんちゃんの頭のうえの夏

キャンプの花火 今年こそ楽しみたい2014年
しゅんちゃんママが願う夏

唐津の海で潮風にふかれる ひろこさんの夏

雨がふりはじめる

こうして ひと雨ひと雨ごとに
夏がやってくる

信号は青
夏の空に飛びこんで
いくか、
いくまいか、
えいや!
おっしゃー!
さあ、夏に飛びこむか

いつも、一度きりの夏

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【関係性と出逢う】は障がいのある人もない人も対象に芸術を通して、お互いのもつ関係性を再考する企画です。
第2弾は8月3日(日)に予定しております。
詳細はこちらにて、お知らせいたします。

 

主催:NPO法人ニコちゃんの会
特別協賛:アサヒビール株式会社
助成:公益財団法人 アサヒグルーブ芸術文化財団
協力:九州大学田北雅裕研究室